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2014-01-23(Thu)

僕らの日記Ⅰ(1996年1月18日)

【黒髪歌劇団】
「ここまで来た事は褒めてやろう」
「きゃー、また激レア亜獣出た!」
 旧迷宮地下9階を探索していた黒髪歌劇団部隊は、ある部屋で通常よりかなり大きい剣を地面に突き、仁王立ち状態の女剣士の亜獣と遭遇した。この亜獣は、前々回の探索で遭遇した女四姉妹戦士のさらに上位ランクに位置づけられる剣士で、鋭い眼光で、部隊を睨んでいた。
「さて、誰が行きますか」
「また、私が行きます!」
 そう言って山下 茜が一歩前に出る。亜獣は山下が近づいてくるのをその場で待ち構え、ある程度の間合いになると、構えに入った。
「いきます!」
 そう叫んで、亜獣に攻撃を加える山下であるが、すべての攻撃を剣でふせがれ、ダメージを与えるのは難しいようである。
「貴様を倒す!」
 そうこうしているうちに、防御に徹していた亜獣が、山下の隙を見逃さず、攻撃に転じる。
「破龍崩山!」
 亜獣の剣が山下にクリーンヒットし、山下は後方まで吹き飛ばされた。
「ぐえー、やっぱり強いです!佳奈美・・・」
 予想以上に大きなダメージを受けて、大の字に倒れた山下は、内田 佳奈美を呼んで回復魔法を頼んだ。
「茜は・・・大丈夫そうね。では気合を入れますか。」
 大島 めぐみが軽く肩を回しながら、亜獣に近づき、剣を構える。亜獣は大島の強さを感じ取った様子で、先ほどよりも一段と集中した表情になり、剣をかまえ、間合いを計った。
「勝負です!」
 先に攻撃に転じたのは大島で、亜獣に対し連続攻撃を仕掛ける。亜獣はそのすべてを受け流すことができず、攻撃をくらっているが、防御力が高いようで、なかなか倒すまでには至らない。
「こちらから行く!」
 大島の連続攻撃の一瞬の隙間を狙い、亜獣が反撃に出る。
「破龍崩山!」
 必殺の一撃であったが、大島はこの攻撃を何とか受け止め、その隙に反撃を加えた。その後、基本的には大島のペースで戦いが続いているが、亜獣に対して決定的なダメージを与えることができない。
「く、このままではラチがあかない。一旦退却させてもらう」
 亜獣はそう叫んで、後ろに大きくジャンプし、そのまま迷宮の奥へと消えていった。
「まあ今回は引き分けということで。じゃあ佳奈美、私もお願い」
 そういいながら、内田の近くに近づいた大島は、肩で息をしながら、回復魔法を頼んだ。

【道】
「なんだかんだ言ってもカイルは強いよね」
「カイルというと別のゲームになりますよ富田さん」
 ストリートファイターⅡXの会話で盛り上がりながらいつものごとく「道」で酒を酌み交わしている富田 剛と本田 仁であるが、本来ガイルと言うはずの所を富田がカイルと言ったのを聞き逃さなかった本田が鋭いツッコミを入れた。
「いやいや、カイルも強いからいいやん」
「ストⅡの話の途中にいきなりデザイア入れられてもですねー。てか、カイルって別に強くないっすよ」
 自分の言い間違いを認めずに強引に話を変える富田に本田も付き合ってあげている。デザイアとは富田が大好きなエロゲメーカーのシーズウェアが1994年7月に発売したゲームである。このゲームは男性キャラのアルバートと女性キャラのマコトの2人の視点からゲームが進められ、最終的に感動の結末を迎えるのであるが、アルバート視点のストーリーとマコト視点のストーリーで、エロさに甚大なる違いがある。ゲームを始めるに当たり、富田と大塚 仁は別々のキャラで始めようということになり、富田がアルバート、大塚がマコトでゲームを始めた。翌日富田がシーズウェアにしてはあまりエロさがないと言ったことに対し、大塚が全然エロいでしょうってかエロしかないっすよ!と言ったことは冒険者組織の中ではそこそこ有名な話である。
「EVEも面白かったから、次回作も期待してるんだけどね~」
「確かに面白かったですけど、出たのが去年の11月ですからまだ次は出ませんよ。大好きなエイミーを繰り返しで我慢してください」
「エイミーはババチョップ~」
 エイミーとはエイミーと呼ばないでというシーズウェアのエロゲであり、富田はそこまで好きな作品ではなかったが、大塚発祥のこのギャグは大好きだったので、つい大声で叫んでしまった。
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2014-01-15(Wed)

僕らの日記Ⅰ(1996年1月17日)

【やぱ僕部隊】
「じゃあ上田さんお願いします」
「了解~」
 旧迷宮地下9階で敵部隊を殲滅した後、出現した宝箱を確認した隊長の坂上 直弥が、罠解除士の上田 大地に罠の解除を依頼した。上田はこれを軽く解除し、羅川 伸に開けるよう合図をした。
「相変わらず余裕ですね~」
 羅川がこういいながら、宝箱に近づき、豪快にふたを開ける。旧迷宮地下9階を探索している部隊は現在6部隊あり、その中には10期のメンバーが数人いるものの、ほとんどが9期以前のメンバーで構成されている。しかし、このやぱ僕部隊は、4名が10期で、江良 涼子にいたっては12期という非常に新しいメンバーであるが、罠解除士の上田が4期で特に亜獣探知のレベルが非常に高いので、このメンバーでも9階を探索できている。罠解除にしても旧迷宮9階レベルであれば、上田が外せない罠に出会うことはほとんどない。
「アイテムはいまいちでしたね~。まあしょうがないっす」
 宝箱には特に珍しいアイテムが入ってなく、少し残念そうに羅川がつぶやく。とりあえず中身を収集し、宝箱を後にした。
「それでは、もう少し頑張りますか!」
 坂上の言葉に全員が気を入れなおし、探索を再開した。ほどなく、上田が少し大きな声で全員に指示を出す。
「前方に亜獣・・・やばいやつなので、撤収!」
 この言葉を聞いて、部隊の全員が歩く方向を変え、逆方向へと進んだ。この部隊ではまだ敵わない亜獣を知り尽くしている上田の判断で、やぱ僕部隊は、本日の探索を終えることとした。

【北食2階】
「確かに、俺も原田さんと同じ意見で、本田君は育成には向かないと思います」
「俺も本田は向いてないと思います」
「自分で言うのもなんですが、俺も向いてないと思います」
 北食2階でランチを食べながら、原田 公司の質問に対して、富田 剛、大塚 仁と本田 仁がこう答えた。
「やっぱりみんな同意見か。かといって、松島さんの現状を放っておけないから、何とかしたいと思うんだけど、何か良い方法ない?」
「現役の魔術師で、松島さんよりレベルが高いのが本田しかいない以上、現役以外の人から指導者を探すというのがセオリーかと」
 実際現役を引退して、若手を育成している大塚の言が正論であることは全員が理解できている。後は、その指導者を誰にするかということだ。
「では、可能性がある人を片っ端から当たることにしようかね」
 原田はこういいながら、食後のコーヒーを飲み干し、準備していたリストを3人に見せ、担当を振り分けた。

【大塚 仁・谷口 竜一・桜井 鼓美】
「大塚さんの話はわかりました。私たちの方でも現状を改善できるように努力させていただきます」
 桜井 鼓美は応接台の向かい側に座っている大塚 仁を見つめながら、このように発言した。大塚は昼食の後、罠解除士教官としての職務である定例報告を行うために、事務管理長である桜井を訪ねていた。その際に、昼食時に話題になった魔術師鍛錬所での状況を桜井に説明し、協力を仰いだのである。ちなみに、たまたまその時居合わせていた谷口 竜一は、別の机に座ってコーヒーを飲んでいる。
「助かります。俺たちのほうでもいろいろ声掛けはするつもりですけど、限界があるので。じゃあよろしくお願いします。谷口、またな」
 大塚はそういいながら、谷口に向かって右腕を上げ、出口へと向かい、それを見ていた谷口は特に表情を変えることなく、右手を上げた。

【新迷宮5階】
「思いっきり体を動かせたから少し気分が楽になった。ありがとう」
 乱れた息を整えるように大きく深呼吸をしながら、偽前田が目の前の戦士にお礼を述べる。偽前田はここ数日精神的にストレスがたまり、それを発散させるために広渡相手に戦いを挑んでいたが、戦士系ではない広渡との戦闘では気分が晴れなかった。それを見かねた広渡が、この戦士がいる部屋を教えてくれたということである。重装備で特殊な剣を持つその戦士は、偽前田の言葉に対して軽くうなずいた。
「それにしても、お前も結構強いな。良かったらまた相手をしてくれ」
 偽前田はこう言いながら戦士に背を向けて、この部屋を後にした。
2014-01-11(Sat)

僕らの日記Ⅰ(1996年1月16日)

【湘南爆走隊】
「あ、何か久しぶりに、良さげな宝箱がありますよ~」
 新迷宮1階で遭遇した亜獣を殲滅した後、部屋を探索していた罠解除士の沖本 蓮香が、嬉しそうに部屋の隅へと脚を進めた。明らかに大きめの宝箱にはもちろん罠が仕掛けてあるのだが、自分の力量で解除できることが一見してわかるほどの罠ということをすでに認識している。
「さてさて、罠解除・・・・・・・・・・・・完了!じゃあ布川君お願い~」
「了解!おまかせあれ!」
 宝箱に近づき、布川 和人がふたを豪快に開けた。中にはいろいろな物が入っているようなので、一旦すべてを宝箱から出すことにする。
「まず、武器が両手剣1本と片手剣が2本。プレートメールが1つと盾が2つ。あとは良くわからないアクセサリーが4つほどあるね」
 隊長の桜庭 敦子がすべてのアイテムを確認した。まず両手剣は特に変わったところは見られず、一般的な両手剣のようだ。片手剣は1本はかなりの魔力がこめられているらしく、とても軽く、切れ味も相当に良さそうで、もう1本は普通の片手剣と使い心地は変わらないようだが、何かしらの秘められた魔力があるらしく感じる。プレートメールは一般的なものよりは軽くて丈夫のようだ。盾は非常に大きい盾は何やら禍々しい魔力がこめられているようで、通常の大きさの盾は、少しだけ軽い感じがする。アクセサリーに関しては、どのような効果を持っているかはここでは判断がつかないので、地上に帰ってから鑑定士に頼むこととなる。
「じゃあ、分配します。まず私がこの片手剣と、プレートメールをもらって、裕美がもう片方の片手剣と、普通サイズの盾。蓮香と可南子と高松君はアクセサリで、残りが布川君で良い?」
 この提案を聞いて、平山 裕美、沖本、島 可南子と高松 準也はある程度納得顔で了承したが、布川だけがまるで予算配分がなく、海軍大臣のチップをもらったかのごとく「はんたーい!はんたーい」と叫んでいた。

【戦士鍛錬所】
「あれ、松島さんじゃない。どうしたの」
「誰に相談すれば良いか悩んだんですけど、原田さん以外に思いつかなかったので。少し相談に乗ってくれませんか」
 午前中の鍛錬時間に、魔術師の松島 明日香が戦士鍛錬所に現れることは普通ではありえないことであるが、何か思い悩んでいる顔をしながら入口付近をうろうろしていたのを、原田 公司が見つけて声をかけた。
「俺で解決できるかどうかわからないけど、悩みがあるなら相談に乗るよ。そうだなあ・・・今日は鍛錬を切り上げて、今から煉瓦亭に行くから、そこで食事しながら話を聞くよ」
「ありがとうございます。それでは、私も一度魔術師鍛錬所に戻って、その後煉瓦亭に向かいますね。」
 そう言って松島は戦士鍛錬所を後にし、魔術師鍛錬所の場所へと向かった。

【煉瓦亭】
「確かに、松島さんの負担が大きすぎるよね」
「私の負担は良いのですが、それが魔術師のみんなのためになっているかが不安です」
 煉瓦亭で、本日のランチメニューを食べ終わった後、原田 公司は松島 明日香の相談を受けた。松島の相談の内容とは、魔術師鍛錬所の現状に関することである。現在稼動している魔術師を古い順番に並べると、1期の本田 仁、8期の松島 明日香、後は9期以降の冒険者になる。本田は別格として、本田の次に古いのが松島であるがために、若い冒険者の指導はほぼ一手に松島が請け負っている。ちなみに、戦士鍛錬所では1期の原田や6期の中尾 智史がいて、罠解除士は1期の富田 剛と3期の大塚 仁、僧侶鍛錬所にも1期の佐々木 雅美が後進の育成を担当する役目を担っている。それと比べると、8期の松島が不安になるのは仕方がないことである。
「本来は本田にやらせたいところだけど、本田は前田さんと似たところがあるから、恐らく新人の育成には向かないんだよね」
「それは私も何となくわかります。かといって、じゃあ私で良いのかとなると・・・」
 軽いため息をついて、沈黙している松島を眺めながら、原田は何か解決策を思案している。だが、戦士の原田にこの場で解決策を提示しろというのは少し酷なのも確かである。
「オッケー。とりあえず話はわかったよ。ちょっと他の連中とも話をして、今の状態を改善できるように俺の方で何とかするから。それまでは、松島さん大変だけど、今の状況でお願いします。じゃあ、出よっか」
 食後のコーヒーを飲み干した後、このように述べた原田は伝票を握り締めてレジへと向かった。
2014-01-10(Fri)

僕らの日記Ⅰ(1996年1月15日)

【冒険者病院305号室】
「前田さ~ん、こんにちは!お見舞いに来ました~」
「おー、横山ちゃん、いらっしゃい~」
 ちょうど昼食後の健診を終えた後の前田 法重はベッドに座った状態で、入口から入ってきた横山 真弓に声をかけた。ちなみに、この部屋にいるのは前田1人ではなく、原田 公司、富田 剛、本田 仁も当たり前のように存在している。
「あ、管ちゃんと高島ちゃんと、島田さんも来てくれたんだ、ありがとう」
「そっかそっか、管さんと高島さんと島田さんも来たのか・・・って島田さん!?」
 何か別の話に熱中して、4人が入室するのにあまり注意を払っていなかった3人は、島田さんという言葉に異常に反応した。
「え、原田達どうしたの、島田さん何かあるの」
「あ・・・いや・・・前田さんは島田さんとは仲が良いのですか」
 動揺を隠しながら、原田が何とか不自然にならないように前田に質問を投げかける。
「特別仲が良いってこともないんだろうけど、同じ戦士系だから知ってるぐらいだって、原田も同じだろう」
「そうですよね。特別なことはないですよね。ハハハハハ」
 原田の乾いた笑いが部屋に響き、富田と本田を除く全員が何か不思議そうな顔を浮かべていた。

【冒険者病院305号室】
「うわ、このサンドイッチめっちゃうまい」
「マジで、こんな美味しいサンドイッチ始めて食べた」
 両手にサンドイッチを持った状態で、前田 法重と原田 公司が歓喜の声を上げた。
「本当に美味しい。こんなの作れるなら、毎日作ってきて欲しいわあ」
 昼食は済ませてきたはずの横山 真弓と管 恵美、高島 奈月も、あまりのおいしさに、口いっぱい頬張って食べている。
「私、サンドイッチだけは得意なんです。他はあまり上手に作れないんですけど」
 顔を赤らめて伏し目がちに島田 笠音が返事をする。昨日横山から見舞いに行く誘いを受けた島田は、何か差し入れをと思い、得意のサンドイッチを大量に持ってきていた。昼過ぎのタイミングに見舞いに行くのはわかっていたので、果たして食べてもらえるかどうかを少し心配していたが、その心配は杞憂に終わったようである。
「いや、俺のサンドイッチの常識を覆すほど本当に美味しかった。俺がいままで食べていたのはサンドイッチではなかったんだな」
 バスケットの一番下に残った最後の一切れを手に取り、満面の笑顔で食べ終えた前田が島田に最高の褒め言葉を送る。島田は嬉しそうにうつむいているが、何か少し気になっている様子でもあった。このとき島田が何を気にしていたのかは本人の口からは語られていないが、理由がわかっている人間がここに2人いた。それは富田 剛と本田 仁であり、彼らは決して、このサンドイッチを初めて食べたとは言わなかったのである。

【道】
「前田さんと島田さんは何もない様子やったねえ」
「確かに前田さんの部屋から出てきたはずなんですけど」
 本田 仁がこう答えながら、原田 公司のコップにビールを注いでいる。本日の午後、原田と富田 剛、本田の3人は、前田 法重を見舞うために冒険者病院に行き、その帰り道スタジオに寄った後、早めに「道」に移動した。普段どおりに乾杯をした後、話題に上がったのは、本日見舞いに訪れた島田 笠音のことである。
「島田さんはともかく、前田さんは何か隠している風でもなかったから、やはり何もないのかなあ」
「確かにあの時の状況は変と言えば変だったんですよね」
 おばちゃんから受け取ったマカロニツナサラダを原田の目の前に置き、富田が当時の状況を思い出しながら、現状を分析し始める。
「俺と本田君が前田さんの部屋から島田さんが出てくるのを見て、その後前田さんの部屋に入ると、前田さんはいつになく爆睡していた。前田さんは普段玄関の鍵を閉めているはずなのに、あの日は玄関の鍵が開いていた。前田さんはその後、夜7時まで起きることはなかった。なおかつ今日の前田さんの様子から、前田さんは島田さんとは戦士鍛錬所で会ったことがある程度の仲である」
「うーん。やはり、前田さんは島田さんが前田さんの部屋にいたことすら認識がないようですね」
 富田の言を受けて、本田がこのようにまとめた。
「ということは、可能性として考えられることは、島田さんが、何かが原因で爆睡している前田さんに気づかれないように、勝手に玄関の鍵を開けて部屋に入り、何かをしたということかな」
「ただ、前田さんのマンションの入口の鍵は、鍵を使う方法以外では、そう簡単には開かないと思いますよ。罠解除士の私が言うから間違いないです。なので、島田さんが鍵を開けるためにはどうしても鍵が必要になります」
 3人はいろいろな可能性を考えたが、結局は結論が出ず、飲むだけ飲んで、その日の「道」を後にした。
2014-01-08(Wed)

僕らの日記Ⅰ(1996年1月14日)

【〉〉1さん部隊】
「俺前々から疑問に思っていることがあるんだけど。」
「またですか?」
 旧迷宮地下2階。戦士と僧侶の亜獣と戦闘し、勝利した〉〉1さん部隊の隊長森下 翼が思い出したようにつぶやいた言葉に、僧侶の宮崎 藍が軽い突っ込みを入れた。
「で、何ですか?」
「いや、今みたいな感じで、戦士と僧侶の部隊と遭遇した場合なんだけど、俺たちの考えから行けば、戦士が俺たちに攻撃して、僧侶は補助魔法や回復魔法を使った方が効率良いと思うんだよね。でも、僧侶は回復使わないでバディオスをバンバン打ってくるじゃん。超攻撃的といえばそれまでだけど、何か腑に落ちないんだよねえ」
 部隊の面々は森下の話を聞きながら、誰がこの疑問に一番的確に答えられるかを考え、みんなの視線は僧侶の宮崎に向いた。
「えっと、私ですか。確かな話ではないですが、以前僧侶の先輩に聞いたことがあります。迷宮にいる亜獣の僧侶や魔術師は、私たちのようにレベルが上がればすべての魔法を使えるようになるわけではないそうです。理由としては、亜獣の攻撃自体が亜獣の意思ではなくプログラム的な部分があるそうで、魔法の数が多くなると、結果間違った呪文を使う可能性が出てくるからとか何とか言ってました。レベル1の僧侶が使用できる呪文はバディオスだけで、レベル1の魔術師はハリトとカティノしか使えないそうです。まあ確かに亜獣にはデュマピックとかミルワは必要ないでしょうし」
「そうなんだ。疑問一つ解消~!では次行ってみよ~!」
 淡々と説明する宮崎の話を聞いて、森下も疑問が解消したらしく、晴れ晴れとした顔で探索再開の合図を告げた

【戦士鍛錬所】
「今日はこの辺で終わりにしようか」
「はい。お疲れ様でした」
 横山 真弓は2時間程度一緒に鍛錬を行っていた島田 笠音に鍛錬終了の提案をし、島田がこれを了承した。横山は8期生で、島田は13期生なので、元々は一緒に鍛錬することはなかったが、いつの頃からか自然と鍛錬を共にすることになっている。島田は大人しく、口数も少ないが、横山にとってはその点が後輩としてかわいらしく感じているようだ。
「笠音も一段と剣筋が鋭くなってきたわねえ。」
 横山から見れば、島田の剣術はまだまだであるが、日ごとにメキメキと成長しているのも感じて取れる。これも横山が島田と一緒に鍛錬している理由であろう。それを聞いた島田は頬を赤く染めて、うつむきかげんで首筋にかいた汗を白いタオルで拭っている。
「あ、そういえば笠音は明日鍛錬した後何か予定ある?」
「明日ですか、特に予定はないですが」
「前田さん知っているでしょう?君主の。この前の探索で大怪我して今入院中なんだけど、明日私の部隊の管と高島と一緒に見舞いに行くの。良かったら笠音も来ない?」
「お見舞いですか。私は構いませんが」
「じゃあ決まりね。詳しいことは明日また話すから」
 そういいながら、鍛錬道具の片付けが終わった横山は、一足先にロッカールームへと向かった。

【足達 賢治・大西 誠二】
「思いもよらなかった前田君の負傷で、計画に大幅な遅れが出ているが大丈夫か、足達」
 いつものようにマイデスクに両手を突いた状態で座っている足達 賢治に、こちらも相変わらず足達の右斜め後ろに立っている大西 誠二が少し顔を近づけぎみに声をかけた。
「問題ない。元々予定よりかなり早い展開で進んでいたので、これでタイミング的には丁度よいぐらいになる」
「ならば良いのだが・・・そうだ、そういえば正月に弟が実家に帰ってきた時に土産でとらやの羊羹を買ってきてくれたんだ。足達はとらやの羊羹好きだっただろう。冷蔵庫にしまってあるので、お茶と一緒に準備するから、少し休憩しないか」
 無言でうなずいたのを確認した後、大西は少し笑顔を浮かべて給湯室へと向かった。
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プロフィール

大島清吾

Author:大島清吾
訪問ありがとうございます。
1年半の放置後復帰しました^^
主に応援している公営競技選手についてのコメントや、レース予想等の話題を何気に記入していきます。
予想は当たりませんのでご容赦ください。

【応援している選手一覧】

《JRA》
田中 勝春 騎手

《競艇選手》
守屋 美穂 選手(4482)
加藤 奈月 選手(4400)
西村 歩 選手(4243)
西岡 育未 選手(4878)

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